発表会の後に「どうだった?」と聞くと、子どもは「頑張った」「楽しかった」「緊張した」と答えます。

気持ちを言葉にできることは大切です。ただし、次の行動を変えるには、それだけでは材料が足りません。

振り返りは、自分を褒めたり責めたりする時間ではありません。目標と結果の差を見て、方法を更新する時間です。

感想と振り返りは、役割が違う

感想は、経験をどう受け止めたかを表します。「悔しかった」「うれしかった」は、次に進むうえで無視できない情報です。

振り返りでは、その感情が生まれた具体的な場面へ戻ります。

発表で緊張したなら、始まる前からか、質問を受けたときか。頑張ったなら、練習回数を増やしたのか、資料を直したのか。楽しかったなら、誰とのどんなやり取りがよかったのか。

感情を入口にして、観察できる事実へ降りていきます。

目標が曖昧だと、結果を読めない

「良い発表にする」という目標では、終わった後の評価が好みになります。

発表前に、何を確かめたいかを一つ決めます。

  • 制限時間の三分以内で終える
  • 聞き手が要点を一つ言い返せる
  • 原稿を見ずに最初の三十秒を話す
  • 質問を一件以上もらう

測るものは、目的に合わせます。数字にできない反応も、相手の言葉として記録できます。

最初の状態も残しておくと、変化がわかります。初回は五分かかった。二回目は三分半だった。最終回は三分に収まった。成果を才能ではなく、方法の変化として読めます。

測定は、子どもを順位づけるためではない

数字を使うと、競争が強くなるように感じるかもしれません。しかし、比較する相手を他人ではなく、以前の自分にします。

何冊読んだかだけを競うのではなく、読んだ後に疑問を何個書けたかを見る。テストの点だけでなく、同じ種類の間違いが減ったかを見る。投稿の「いいね」だけでなく、想定した相手から反応があったかを見る。

指標は、目的をすべて表しません。一つの数字が上がったから成功と決めず、望ましくない変化も確認します。練習時間を増やして睡眠が減ったなら、方法を見直します。

良い振り返りは、次の一手で終わる

振り返りの文章を長く書いても、次に何を変えるかが決まらなければ、学習の循環は閉じません。

「次は頑張る」ではなく、「次回は発表前に一人へ見せ、意味が伝わらない言葉へ説明を足す」とします。誰が、いつ、何をするかまで小さく決めます。

OECDのラーニング・コンパスが示す「見通し・行動・振り返り」も、振り返りを過去の評価だけで終わらせず、次の見通しへつなぐ循環です。

「頑張った」を禁止する必要はありません。その後に、「何を変えたから、何が変わった?」を一つ足すだけで、経験は次に使える記録になります。

今日からの一つの行動

今日終えたことを一つ選び、「目標」「実際」「次に変えること」を一行ずつ書いてください。親も同じ形式で、自分の仕事か家事を振り返ります。

特集ポータルページへ

出典