「役割を与える」「手順を指定する」「例を見せる」。生成AIから良い回答を得るためのプロンプト術が、次々に紹介されています。

こうした工夫は現在も役立ちます。ただし、サービスの機能やモデルが変われば、最適な言い回しも変わります。今日の必勝テンプレートを暗記するだけでは、道具の更新についていけません。

残るのは、言葉の呪文ではなく、問いを立て、材料を渡し、結果を確かめ、依頼を直す手順です。

テンプレートは、考える順序を見せる補助輪である

良いプロンプトには、目的、相手、条件、参考資料、出力形式などが含まれます。

たとえば「作文を書いて」より、「中学生の保護者へ、学校行事への参加を依頼する案内文を、四百字以内で、日時と申込方法を変えずに書いて」と頼むほうが、目的に近い案が出やすくなります。

重要なのは、特定の決まり文句ではありません。仕事を依頼する前に、自分が目的と条件を整理していることです。

テンプレートは、その整理を助ける補助輪として使います。空欄を埋めるだけになったら、なぜその項目が必要かを説明させます。

入力の質は、質問文だけでは決まらない

回答の質を上げるには、関連する資料や前提を渡す必要があります。

学校の予定を要約させるなら、最新版の予定表を使う。制度について尋ねるなら、担当省庁の資料を示す。文章を直すなら、誰が読み、何をしてほしいかを伝える。

一方、個人情報、社外秘、未公開の研究、他人の作品を、扱いを確認せず入力してはいけません。

「詳しく書いて」という一言を重ねるより、信頼できる材料を選び、渡してよい範囲を決める力のほうが長く使えます。

出力は、完成品ではなく検証待ちの案である

生成AIは、もっともらしい誤りを含むことがあります。存在しない出典や、古い制度、計算違いが混ざっても、自然な文章で示されます。

そこで、出力後の手順を決めます。

1. 事実と提案を分ける 2. 重要な事実を一次資料で確かめる 3. 抜けている立場や反例を探す 4. 目的に合わない部分を示して依頼を直す 5. 最終判断を自分の言葉で説明する

一回で完璧な回答を出すことより、検証を通じて依頼と成果物を更新することが重要です。

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子どもに教えるのは、五段階の仕事である

AI活用を「プロンプトを書く作業」に縮めず、次の五段階で教えます。

問いを決める。入力を選ぶ。出力を読む。根拠を確かめる。次の依頼を直す。

UNESCOの生徒向けAI能力枠組みも、人間中心の姿勢、倫理、安全、AI技術と応用の理解などを含みます。操作の技巧だけではありません。

「来年には古くなる」は、すべての書き方が一年で無効になるという予言ではありません。変化の速い道具では、個別の型より、型を作り直せる手順へ投資すべきだという意味です。

今日からの一つの行動

よく使うプロンプトを一つ選び、「目的」「渡す資料」「確認する事実」の三項目を書き足してください。回答の長さを変える指示は、最後に置きます。

出典