noteメンバーシップ「マツムラボ」 / 「アップルノート」向けに、Appleの最新2026年第3四半期決算の詳細レポートを公開しました。

https://applenote.me/n/nacd5747e1aac

製品・地域別の実績から、為替、価格改定、メモリ調達、先端半導体の製造能力、流通在庫、決算電話会議の発言まで整理しています。本稿では、その中から「製品がサービスを上回って成長した意味」と、9月に登場するとみられる次期iPhoneへの影響を紹介します。

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驚くべき「製品>サービス」の成長

Appleの2026年度第3四半期は、売上高1094億ドル、前年同期比16%増の過去最高決算となりました。なかでも意外だったのは、製品売上が18%増え、サービスの12%増を上回ったことです。

iPhoneは22%増の543億ドル、Macは29%増の104億ドル。iPhoneとMacだけで、Apple全体の増収分の8割近くを生み出しました。サービスも307億ドルで6月期の記録を更新していますが、今回は明らかにハードウェアが成長の主役です。

これは「サービス企業化」が後退したという意味ではありません。Appleのサービスは、25億台を超える稼働端末を入口に成長します。製品が売れれば、iCloud、Apple Music、AppleCare、決済などの将来収益も増える。Appleは製品かサービスかではなく、その循環全体を設計する会社です。Apple

売れないのではなく、作れない

好調な決算の裏で、Tim Cook氏はかなり強い警告を発しました。6月期には主にMac、一部のiPhoneとiPadで供給制約が発生。9月期にはiPhone、Mac、iPadのすべてで影響が大幅に拡大する見通しです。

不足している中心は、最終組立能力ではありません。Appleシリコンを製造する先端半導体プロセスです。Cook氏は、原因を通常の部品トラブルではなく「需要予測の問題」と説明しました。iPhoneとMacが、Apple自身の高い想定をさらに上回って売れたためです。供給を前倒しで確保してきたものの、もはや柔軟に増やせる余地が少ないといいます。

「100年に一度」のメモリ高

もう一つの圧力がメモリ価格です。

Cook氏は現在の状況を「100年に一度の洪水」と表現し、MacとiPadの価格を不本意ながら引き上げたと説明しました。

Appleが支払うメモリ価格は、3月期、6月期、9月期と段階的に上昇しています。関税還付を除く粗利益率は3月期の49.3%から6月期に48.1%へ下がり、9月期は46.5%前後まで低下する見込みです。

Appleによれば、この下落は為替よりもメモリコストの影響が大きい。調達力だけでは吸収できない局面に入っています。

9月のiPhoneは「高い」だけでなく「手に入りにくい」

ここからは決算発言を踏まえた予測です。

次期iPhoneの投入が遅れると判断する材料はありません。Apple自身、9月期のiPhone売上高を前年同期比10%台半ばの成長と見込んでいます。

ただし、その上限を決めるのは需要ではなく供給です。発売直後は、最新チップや大容量メモリを使うモデル、人気色、特定地域に品薄が集中する可能性があります。

価格も一律値上げとは限りません。Appleは販売台数、売上高、利益率を同時に見て長期判断すると説明しています。入口となる標準モデルを守りつつ、Pro、大容量ストレージ、地域別価格へコストを厚く転嫁する設計が考えられます。

日本では7月18日に現行iPhoneが値上げされました。これは主に円安対応とみられます。

次期モデルでは、そこへメモリとストレージの原価上昇が重なる恐れがあります。Appleは下取り、残価設定、分割払いによって、本体価格ではなく「月額負担」を抑える販売へ一段と傾くでしょう。

次期iPhoneで見るべきなのは、カメラやチップだけではありません。どの価格を守り、どのモデルを高くし、どこから納期が延びるのか。そこに、供給不足と原価高に対するAppleの答えが現れます。


noteメンバーシップ「マツムラボ」では、iPhone、Mac、iPad、Apple Watch、サービスの実績に加え、中国、日本、インドなどの地域動向、在庫、為替、関税還付、メモリ調達、電話会議の重要発言まで整理しました。

ニュースの数字を追うだけでなく、「Appleが何を最適化し、次に何をしようとしているのか」まで継続して読み解きます。

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