昨夜のマツムラボのライブ配信では、Galaxy Z Fold8やPixel 11 Pro Fold、そして登場が報じられている折りたたみiPhoneについて話しました。

ライブ配信のアーカイブは、こちらから。

実際にGalaxy Z Fold8を使いながら気づいたのは、意外にも、使っている時間の半分ほどは端末を開いていないことです。

折りたたみスマホなのに、閉じて使っている。

そしてリスナーからも、「8年間折り畳みスマホを追いかけているけど、いまだに折り畳みでしか実現できることが、発見できていない」との本音コメントも入りました。

元も子もないようですが、ここに現在の折りたたみスマホの価値が見えてきましたし、普及には、価格とともに、折りたたみだからこそをいかに発見するか、がポイントになってくる、という部分が見えてきました。

閉じた状態が使いやすいから、必要なときだけ開ける

Galaxy Z Fold8は、従来の縦長のFoldシリーズとは少し異なる、短くて横幅のある形です。

閉じた状態のカバー画面は約5.5インチ、画面比率は10対16。開くと約7.6インチ、4対3に近い画面になります。本体重量は201グラムです。

私の場合、閉じた状態の横幅が文字入力にちょうどよく、親指の移動量が少なくなります。開けば画面は広くなりますが、両手の親指で入力する距離も伸びます。メッセージや短い原稿を書くときは、閉じていた方が速いのです。

一方、動画を見る、長い記事を読む、写真を選ぶ、二つのアプリを並べるといった場面では開きます。

やはり折りたたみスマホは「常に大画面で使うスマホ」ではありません。

作業に応じて、スマホの画面と小型タブレットの画面を切り替える端末です。

Galaxy Z Fold8では、閉じた画面と開いた画面の役割が、以前よりはっきりしました。

充電についても、Samsungは2系統で電力を分配する「デュアルパス充電構造」をFold8とFold8 Ultraに採用し、45Wの急速充電に対応させています。配信後まで電池が予想以上に残っていたことも含め、「折りたたみだから我慢する」部分は着実に減っています。

大きさよりも、画面の比率が使い方を変える

Fold8 Ultraは、閉じれば一般的な縦長スマホに近く、開けば約8インチの画面になります。仕事や制作を重視するなら、こちらの方が広い作業領域を得られます。

対してFold8は、閉じても少し横幅があり、開くと4対3になります。16対9の動画を表示したときの余白が比較的少なく、横向きでも縦向きでもコンテンツを置きやすい形です。画面サイズが小さいのに、Ultraよりも没入感がある、という不思議な感覚を覚えるのです。。

Google Pixel 11 Pro Foldは、閉じた状態では約6.5インチの一般的な縦長スマホに近い形です。開くと約8インチになりますが、重量は239グラム、閉じた厚さは10.1ミリです。Fold8の201グラム、9.7ミリと比べると、やや大きく重くなります。

どちらが優れているというより、思想が違います。

Pixelは「普通のスマホを開くと大画面になる」という設計に近く、Fold8は「閉じた状態と開いた状態の両方に、別の役割を与える」設計です。

AIを使うほど、二つのアプリを並べたくなる

現時点で、折りたたみスマホでしか使えない決定的なアプリは、まだ多くありません。

しかし、画面を二つに分け、左に資料、右に文書を表示する。ブラウザーで確認した情報を、メールやチャットへドラッグする。動画を見ながらメモを取る。こうしたPCやタブレットに近い操作はできます。

僕は、AIを使う場面が増えるほど、この価値は大きくなると見ています。

AIに質問するだけなら、普通のスマホで十分です。しかし、AIが出した内容と元の資料を比較する、AIの提案を別のアプリへ移す、複数の結果を見ながら判断するといった作業では、同時に二つの画面を見たくなります。

折りたたみスマホの大画面は、動画を見るためだけではなく、AIと人間の作業領域を並べる画面になる可能性があります。

ただし、アプリ側が大画面に最適化されなければ、この価値は成立しません。画面を広げただけで情報が間延びするアプリも、依然としてあります。

2台を1台にまとめるなら、価格はすでに逆転している

昨夜の配信では、Galaxy Z Fold8と、iPhone Air+iPad miniの価格を大まかに比較しました。現在の公式価格で計算し直すと、少し意外な結果になります。

Galaxy Z Fold8の256GBモデルは26万9880円です。

一方、iPhone Airの256GBモデルは17万7800円。iPad miniの128GBモデルは、Wi-Fi版が9万9800円、Wi-Fi+Cellular版が12万4800円です。

合計すると、次のようになります。

  • iPhone Air+iPad mini Wi-Fi版:27万7600円
  • iPhone Air+iPad mini Cellular版:30万2600円
  • Galaxy Z Fold8:26万9880円

現在の価格では、Galaxy Z Fold8の方が7720円から3万2720円安くなります。

もちろん、完全に同じ条件ではありません。

iPhoneとiPadなら二つの画面を同時に使えます。どちらかが故障しても、もう一方は残ります。iPad miniの画面はFold8より大きく、Apple Pencilも利用できます。

逆にFold8なら、充電、通信契約、データ管理、持ち歩く荷物を一つにできます。

したがって、折りたたみスマホの価格を「高価なスマホ」としてだけ見ると判断を誤ります。比較すべきなのは、スマホ1台ではなく、その人が持ち歩いているスマホと小型タブレットを合わせた費用と手間です。

すでにiPad miniを持っている人には不要でしょう。一方、外出先でスマホとタブレットを常に持ち歩く人には、価格面でも現実的な選択肢になり始めています。

市場が伸びない最大の理由は、価格だけではない

MM総研によると、2025年度の国内折りたたみスマートフォン出荷台数は33万4000台でした。国内スマートフォン全体の1.1%にすぎません。

メーカー別ではSamsungが67.7%で首位です。2026年度には76万台、2027年度には102万台へ伸びると予測されています。

ただし、この調査でさらに重要なのは、購入しない理由です。

折りたたみスマホを使ったことがない人のうち、「購入したい」と答えた人は10.0%。「購入したくない」は48.1%でした。購入したくない理由の首位は、価格や故障への不安ではなく、41.7%の「折りたたみのメリットがわからない」でした。

なお、この市場データには、横開きのFold型だけでなく、縦に閉じるFlip型も含まれています。

Appleが折りたたみiPhoneを発売すれば、「スマホは折りたためる」という認知は一気に広がるでしょう。

しかし、認知が広がることと、購入することは別です。

Appleの折りたたみ端末については、2026年後半の投入が報じられていますが、Apple自身はまだ正式発表していません。米国先行、価格、販売台数、日本での発売時期も現時点では確定情報ではありません。

折りたたみスマホで、何を1台にまとめたいですか?

折りたたみスマホが普及するには、薄さや折り目の改善だけでは足りません。

閉じたときに何をするのか。

開いたときに、どの作業が明確に楽になるのか。

そして、これまで2台で行っていた何を、1台へまとめられるのか。

この三つを、利用者が自分の日常に置き換えられる必要があります。

そこで、皆さんにも聞いてみたいです。

折りたたみスマホを買うとしたら、何を1台にまとめたいですか。

スマホとタブレットでしょうか。スマホとパソコンの一部でしょうか。あるいはFlip型のように、コンパクトな端末とビデオカメラをまとめる使い方でしょうか。

すでに折りたたみスマホを使っている方は、1日のうち、閉じている時間と開いている時間のどちらが長いかも教えてください。

出典・確認資料

Samsung Newsroom日本「Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra|Fold8|Flip8」発表資料。Fold8は201グラム、閉じた画面が10対16、開いた画面が4対3、4800mAhバッテリーとされています。(Samsung Global Newsroom)

Samsung Global Newsroom、Galaxy Zシリーズ開発責任者インタビュー。Fold8とFold8 Ultraのデュアルパス充電構造、45W急速充電について説明しています。(Samsung Global Newsroom)

Google Pixel公式仕様、Samsung公式仕様。Pixel 11 Pro Foldは閉じた状態で155.2×76.0×10.1ミリ、239グラム。Galaxy Z Fold8は201グラム、閉じた厚さ約9.7ミリです。(Google Help)

Samsung、Apple公式オンラインストア。Galaxy Z Fold8 256GBは26万9880円、iPhone Air 256GBは17万7800円、iPad mini 128GBはWi-Fi版9万9800円、Cellular版12万4800円です。(Samsung Global Newsroom)

MM総研「折りたたみiPhone登場で2027年度は100万台規模へ」。国内出荷台数、メーカーシェア、購入意向、非購入理由を確認しました。調査は2026年7月、15~69歳の1084人が対象です。(M2RI)

ReutersによるNikkei Asia報道の紹介。Apple初の折りたたみiPhoneを2026年後半に投入する計画が報じられていますが、Reutersは独自確認できておらず、Appleもコメントしていません。(Reuters)