コスパ、タイパと、「○○パ」がつくフレーズが非常に象徴的で、iU(情報経営イノベーション専門職大学)のマツムラボでも、研究されている領域です。
そうした中、「マチパ」というフレーズに出会ったので記事を書きました。
マッチングパフォーマンス、略して「マチパ」。グローバルなマッチングアプリ企業であるMatch Group傘下で、日本のマッチングアプリ大手となるPairsが、顧客幸福度を高めるために追究していることこそ、マッチングの質的向上、「マチパ」です。
○○パで、効率性を追求すると、見誤る
iUでのタイパ研究は、3月に卒業した米山君が手がけていました。ここで非常に重要かつ、世の私を含むおじさん世代が勘違いしがちなポイントとして発見、目からうどん粉(原文ママ)だったこと。
それは、Z世代が考える「パフォーマンス」の意味には、単純な効率性だけで測れないということでした。
特にタイパの研究の中で、タイパを「時間に対する効率性」と翻訳すると、「違うんだよな」と言われてしまったのです。何でも、時間が短ければ良い、確かに尺度としては有益ですし、必要な視点かも知れません。
しかしZ世代がタイパというと、その時間の充実度合いが尺度に入ってきます。
わかりやすい例だと、歩いて5分の400円で食べられる牛丼チェーンと、電車で30分かけて訪れる4000円の超美味しい焼肉屋。みなさんなら、どちらがタイパが良いと思いますか?
ここで、コスパのことを考えると、4000円も普通よりも良いお肉がお腹いっぱい食べられれば、400円ではなくてもコスパが良い、と考えられるはず。
タイパも同様で、5分でランチが済むからタイパが良い、それも確かにそうですが、30分かけて焼き肉屋に行くことも、タイパが悪いとは評価していないのです。
その上で、マチパを考える
そうした前提で、改めて、Pairsが追究するマチパを考えてみます。
確かにマッチングアプリは、数打ちゃ当たる戦法みたいな部分もありました。より多くの人に「いいね」や「♡」を送ることが、マッチングアプリの歩き方、という部分もあったはずです。
しかし、現在の日本での結婚のうち、10人に1人がPairsきっかけの「Pairs婚」というデータもあるほどです。
Pairsとしては、たくさんの人と出会えることよりも、本命の相手と出会えることを狙うことで、マチパが高まる、つまり充実度の高いマッチングを経験できる、と顧客幸福度を定義したのでした。
AIで、好みの言語化をする
ペアーズでデータ戦略を統括する奥村純さんに、インタビューをしました。マチパを高めるには、AIを駆使して相性の良い相手を分析してオススメすることが必要。
しかしそのAIに、自分がどんな人なのか、どんな好みなのかを理解してもらい、これを言語化していくことで、マッチングの質の根本的な向上を狙っているそうです。
先週のiU1年生向けの授業でのアイスブレイキングとして、他己紹介ワークショップを行いましたが、自分や相手の理解と言語化は、キャリアにおける計画的偶発性理論のように、AIを駆使する以前から、コミュニケーションの質的向上に効果を発揮してくれていました。
その上で、デートを支援することで、マッチしてからの発展、進展が進みやすい環境を作り出しているそうです。
より詳しいインタビューは、記事でご覧下さい。
コメント