Tesla Model Yに装着したMICHELIN CrossClimate 3 Sport(255/45R19)のレビューです。

結構悩んだ末のチョイスでした。
12月に装着して、雪のない環境で1ヶ月過ごし、年末年始に雪のある長野の山へ出かけたので、ある程度条件が試せた、ということで記事化します。
雪の少ない関東の平野部に住んでいて、でも突然の雪に備えたい、ウインターレジャーにクルマで行く、という人にとって、良い選択肢だと思いました。
東京でModel Yに「ちょうどいい」タイヤって、意外と難しい

東京の冬って、雪が降り続くわけじゃない。
でも、年に数回の雪が“最悪のタイミング”で刺さるんですよね。
- 平日の朝、公共交通が混乱する中での送迎や通勤で車を出さないといけない
- 出先で降ってきて、帰りが怖い
- 雪が溶けて、夜〜朝にかけて凍ってツルツル(これがいちばん怖い)
一方で、毎度南岸低気圧の位置と寒気の居座り方で降るかどうかやきもきする頻度は高いが、結果としてスタッドレスを履くほどの頻度は高くない。タイヤ保管場所もないし、履き替えの予約や費用も地味にストレスでした。最近タイヤ交換の予約も取りにくいので……。
そのため、Model Yに乗り換えてから、オールシーズンタイヤを検討し続けていた、というのが実際のところでした。
ただし、スタッドレスでの冬を何シーズンも経験しているので、
- オールシーズンタイヤが(少なくとも雪に対して)冬の路面にきちんと対応できるのか?
という多くの人がオールシーズンタイヤに持つ漠然とした不安感、そして
- 1年中、カーブに気を使うサイドのふにゃふにゃ感はないのか?
- 一般的に弱いとされる雨の路面は大丈夫なのか?
という圧倒的に長い時間に該当する「雪以外の場面」での性能に対する不安感。
この2つが、なかなか悩みどころだった、と言うわけです。
CrossClimate 3 Sportを選んだ理由

①履き替えと保管から解放される
CrossClimateシリーズは、3PMSF(スノーフレーク)を取得した「雪も走れる夏タイヤ」枠で、メーカー自身も「一年中タイヤ交換不要」「保管も不要」「冬用タイヤ規制時もそのまま走行可能」というメリットを明記しています。
※そして大事な注意として「日常的に積雪・凍結路を走るならスタッドレス推奨」も書かれています。
東京の暮らしだと、この“交換しないでいい”のが効く。タイヤ交換って性能以前に、生活の中では手間の塊なので。いや、元自動車部のクルマ好きなら、そこの手間をかけろよ、と言われると、反論の余地がないのですが。
②雪の日に「詰む確率」を下げたい
都内の雪って、豪雪地帯のような「ずっと雪」じゃなくて、実に変化が激しいものです。そのため、雨、みぞれ、雪、再びみぞれでシャーベット、みたいな路面変化や、朝の凍結にも対応できるかどうかが重要。
そのため、単に「雪OKです!」だけでなく、「冬タイヤ」としての性能の充実は必要だったりします。
③Model Yはタイヤでキャラが変わる(だから“Sport”が気になった)
Model Yは重さもトルクもあるので、タイヤがフワッとすると一気に運転しづらくなる。もっとも、足回りが硬すぎるので、ちょっと柔らかい方が、という好みの問題もあるのですが、「便利だけど走りがボヤける」系のタイヤだと、自分はたぶん後悔すると思いました。
今回の第3世代、CrossClimate 3には “Sport”モデルが設定されており、海外のタイヤテストでもウェット/ドライの強さと、年間通しての安心感を評価されている流れがあって、そこも参考に、選択しました。
普段使いの感想
毎日の街乗り:普通に快適、そして「変な不安」が減る
都内の走行って、信号・右左折・合流・路駐回避と、とにかく忙しない対応が求められます。特に冬場の雨の日(路面が冷たい+濡れてる)でのブレーキの安心感は、体感でも違いが出ました。
「今の停止、ちょっとヒヤッとしたな…」が減る感じがしています。

極端な話、雨の日で、高速導入路にありがちな、きつめのカーブに継ぎ目の金属。標準のサマータイヤでズルッと行くところですが、CrossClimate 3 Sportは食いついていました。すごいじゃん。
高速:直進もレーンチェンジも素直
首都高や湾岸みたいに速度域が上がると、タイヤの性格が出ますが、CrossClimate 3 Sportは「スポーツ寄り」を名乗るだけあって、ステアリングの反応が素直で、変にダルくなりにくい印象でした。
雪道・アイスバーン:驚いた。でも“過信は禁物”

雪道:ちゃんと止まる。これは正直びっくりした
まず雪道。「雪道もしっかり止まる」——これは本当にその通り。
オールシーズンって急な雪に対応できる「お守り」だと思っていたので、昼間2℃、最低気温-10℃の長野の雪道に行ってみて、「普通に走れるじゃん」という驚きがありました。
そもそもEVなので、ブレーキはモーターの抵抗で速度を落としていくのですが、これとの相性もよい印象。加えて、あえて25km/hぐらいでバーンと派手にブレーキを踏んでもABSが効かずに止まりました。すごいじゃん。
アイスバーン:スタッドレス並みに安心感を感じる瞬間、はあった

自分も、凍結っぽい路面で「意外といける…?」と思う瞬間が多々ありました。スキー場の駐車場の朝とかにありがちな、午後溶けて、夜凍った、ゆるい坂道。結構ちゃんと登ってくれるじゃないですか。
ただ、ここがいちばん危ない。
体感が良い=限界が高い、ではない。
実際、JAFのテストでは氷盤路の制動距離は
– スタッドレス:78.5m
– オールシーズン:101.1m
と、20m以上伸びる結果が紹介されています。もっとも、新しい世代のオールシーズンではなさそうですが、これぐらいの差が出る前提は持っていても損はないはず。(※条件はJAF記事参照)
CrossClimate 3 Sportの雪・凍結の安心感はすごい。でも、スタッドレスの気持ちで走るのは危険。「過信しない運用」とセットで初めて正解。
正直に言うデメリット:ノイズと電費
ロードノイズ:Model Yの静かさが、逆にアラを拾う
EVってエンジン音がない分、タイヤ由来の音が目立ちます。
自分の体感だと、CrossClimate 3 Sportにしてから
- 荒れたアスファルト
- 速度が乗った巡航
で、ロードノイズ(パターンノイズ)が増えたと感じました。
手元のApple Watch Ultra 3で、標準サマータイヤ(ハンコック)と比べても、+5db〜7db。まあ大きくなったな、と感じるけれど、スノータイヤみたいにノイズが増す、というわけでもない印象。
電費:冬の電費低下 + タイヤで、地味に効く
冬のModel Yは、そもそも電費が落ちやすい。寒いのがいやなので、暖房をケチったりしないのです。
サマータイヤで春〜秋の高速道路だと135Wh/km(7.4km/wh)程度で走れるところが、寒い朝の走り始めなんかは街乗りで200Wh/kmぐらい、冬場の高速で150Wh/kmぐらいにはなってしまう。
そこにオールシーズンの特性が乗って、自分の使い方だと電費が増える(=航続が少し縮む)方向に振れました。冬の高速の巡航で145Wh/km〜165Wh/km程度に伸びています。
日常の買い物や送迎では致命的じゃないけど、そもそもの「冬の遠出」では、余裕を持った計画が必要です。
東京ユーザー向け:CrossClimate 3 Sportの“ちょうどいい”運用法
雪予報の日のマイルール(これだけで安心感が段違い)
- そもそもの話、できればクルマに乗らない。
- どうしても運転なら、速度を落とす/車間を長く/操作はゆっくり。まわりのクルマはサマータイヤの可能性も高め、という前提で。
- 坂道・橋の上・日陰は「凍ってる前提」で
チェーンは“別腹”。冬用タイヤでも必要になることがある
高速道路では「チェーン規制」がかかると、スタッドレスのような冬用タイヤ(CrossClimate 3 Sportも該当)だとしても、チェーン必須。
つまり、オールシーズンかどうか以前に「チェーンを積んでない=詰む」可能性がある。
東京住みでも、中央道方面や山沿いを通るなら、“使わなくても積む”が現実的な落としどころです。
Model Yならでは:冬の朝は回生が弱い前提で走る
寒い朝は、回生ブレーキが制限され、アクセルオフでもいつものような強力なブレーキが効かないことがあります。これはタイヤ以前に、バッテリー温度が低いため。
自分は、
- 出発前に可能ならプレコンディショニング
- 出発直後は「回生で止まるつもり」を捨てて、早めにブレーキペダルで減速を意識
するようにしています。この前提を、雪道でも適用しておくと安心ではないか、と思います。
まとめ:東京の生活に刺さるのは“性能”より“ラクさ”+“保険”
CrossClimate 3 Sportは、
- 雨でも安心
- たまの雪で詰みにくい
- そして履き替え不要で運用がラク
という意味で、東京のModel Yユーザーにはかなり現実的な選択肢でした。
ただし、氷(アイス)に関してはスタッドレスの領域がある。ノイズと電費のトレードオフもある。
だから自分の結論はこれです:
「東京の“たまに雪”とレジャーに備えつつ、普段も気持ちよく走れる」。
でも“万能”ではないので、過信しない運用(+チェーン携行)まで含めて選ぶ。
が良いと思いました。



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