生成AIの進化は、単に業務効率を高めるツールの登場にとどまりません。企業の採用計画、人材育成、組織設計そのものにまで影響を与え始めています。そうした変化を受けて、2026年4月10日に「渋谷サクラステージゼミ 第7回 DF研究会」を開催します。
今回のイベントでは、AI時代に活躍する人材とは何か、そうした人材が力を発揮できる組織とは何かを、実務と教育の両面から考えていきます。会場は渋谷サクラステージ内のビジネスエアポート・渋谷サクラステージ。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社の髙浪司氏を講師に迎えし、人材市場の最前線の視点を入れながら、AIと共働する未来の人材像を議論します。
開催概要とお申し込み
- 日時:2026年4月10日 19時〜20時30分
- 場所:渋谷サクラステージ 4F ビジネスエアポート・渋谷サクラステージ / 渋谷ウェルセンター
- 定員:会場40名 / オンライン 無制限
お申し込みは、以下のフォームよりお願い致します。
オンラインでは、こちらからライブ配信を行います。どなたでも、チャットでご参加頂けます。
優秀な人材像は、すでに変わり始めている
これまで多くの企業では、学歴、所属企業、職種経験、資格といったわかりやすい指標をもとに人材を評価してきました。もちろん、それらが無意味になったわけではありません。しかしAIが広く使われる時代になると、従来の評価軸だけでは十分ではなくなってきます。
なぜなら、AIによって一定の知識処理や定型作業が代替されるほど、企業が本当に欲しいのは「知っている人」よりも、「変化に適応しながら成果を出せる人」になっていくからです。言い換えれば、過去の実績や肩書だけでなく、次の環境で学び直し、組み合わせ、判断し、周囲と協働しながら価値をつくれるかが、これまで以上に問われるようになります。
AI時代の採用は、単なる欠員補充ではありません。企業は、次の経営環境に適応できる人材を選ぶ必要に迫られています。その結果として、優秀な人材像そのものが静かに、しかし確実に変化し始めています。
企業の採用計画そのものが、AIによって変化している
背景には、企業の採用計画の変化があります。生成AIの導入により、これまで人手を前提としていた業務の一部は再設計され、必要な職種、求める能力、育成のあり方が見直されつつあります。
たとえば、単純に人員数を増やすのではなく、少人数でも高い生産性を発揮できる組織を目指す企業が増えています。また、AIを前提に業務フローを再構築する中で、既存の職能の切り方自体が揺らいでいます。つまり、採るべき人材像が変われば、育てるべき人材像も変わり、結果として組織の設計思想まで変わっていくわけです。
さらに最近は、短期的な即戦力だけでなく、組織の文化に適応し、長く働きながら成長してくれる「プロパー人材」の価値が改めて見直されています。これは保守化というより、変化の激しい時代だからこそ、社内で継続的に学び、進化できる人材基盤を持ちたいという経営判断でもあります。
学歴主導から、「次の時代で活躍できる素養」へ
もう一つ大きいのは、採用における評価軸が、学歴中心から少しずつずれてきていることです。
もちろん、学歴は一定の努力や基礎能力を示すシグナルとして今も機能します。しかし、それだけではAI時代の仕事能力を測りきれません。企業が本当に見たいのは、未知のツールや環境に向き合ったときにどう学ぶのか、どう試すのか、どう周囲とつながるのかという、より実践的で可変的な力です。
つまり求められているのは、「何を知っているか」だけではなく、「新しい状況でどう振る舞えるか」です。ここには、技術そのものの専門性だけでなく、課題発見、コミュニケーション、情報の取捨選択、学び続ける姿勢なども含まれます。企業は、履歴書に書かれた過去だけでなく、その人が次の時代にどのような価値を生み出せるかを見ようとしています。
そのヒントとしての「デジタルフルーエント人材」
こうした変化を読み解くキーワードの一つが、「デジタルフルーエンシー」です。
デジタルフルーエンシーとは、単にデジタルツールを使えることではありません。変化する技術環境を理解し、自分の仕事やチームや組織にどう組み込めばよいかを考え、実際に使いこなしながら価値につなげていく力です。生成AIを使ったことがある、プロンプトを書ける、といった表層的なスキルだけでは足りません。技術の可能性と限界を見極め、仕事のやり方を更新し、周囲と共有し、組織の変化にも接続できることが重要です。
今回立ち上げるDF研究会は、まさにこの「デジタルフルーエント人材」とは何かを探求するための研究会です。イベントのテーマも、「AI時代のスキルと組織変革の姿とは?」「新しい人材像『デジタルフルーエンシー』とは何か?組織はどう変わるのか?」と明確に打ち出しています。
iUの教育は、この変化にフィットしているのではないか
ここで重要になるのが、iUがこれまで重視してきた教育との接続です。
iUでは、知識の暗記や一方向の講義だけでなく、コンピテンシーを重視した教育に力を入れてきました。課題を発見し、チームで考え、試行錯誤しながら形にしていく。正解を受け取るだけでなく、自分で問いを立て、周囲と協働しながら前に進める。このような学びのあり方は、まさにAI時代に必要とされる人材像と重なる部分があります。
AIが普及するほど、人間に求められるのは「知識を持っていること」そのものではなく、知識や道具をどう使って価値を生み出すかになります。その意味で、コンピテンシー重視の教育は、AI時代においてむしろ重要性を増すはずです。
DF研究会では、この仮説を実務の視点からも検証していきたいと考えています。企業はどのような人材を求めているのか。組織はどのように変わるべきか。教育は何を育てるべきか。その接点を、研究会として継続的に議論していくことに意味があります。
研究会を立ち上げる理由
今回のイベントは、単発の講演会ではありません。AI時代の人材像と組織変革を継続的に議論していくための起点として、DF研究会を立ち上げます。
AIの進化は速く、社会の制度や教育の仕組みはそれに比べてゆっくり変わります。だからこそ、現場の実務家、教育関係者、学生、企業人が集まり、いま起きている変化を言語化し、共通理解を作っていく場が必要です。新しい人材像を、企業だけが決めるのでも、教育機関だけが語るのでもなく、両者の対話の中から具体化していくことが求められています。
渋谷サクラステージという、働く人と学ぶ人が交差する場所でこの議論を始めることにも意味があります。AI時代の人材と組織の議論は、教室の中だけでも、会議室の中だけでも完結しません。実践と教育のあいだを往復しながら考える必要があります。
ご関心のある方はぜひご参加ください
4月10日のイベントでは、AI時代のスキル、人材、組織変革について、実務に即した視点から議論を始めます。これからの採用や育成に関心のある企業の方、教育のアップデートに関心のある方、そして自分自身のキャリアや学びを考えたい学生にとっても、有意義な場になるはずです。
新しい人材像は、誰かが一方的に定義して終わるものではありません。変化の中で試し、語り、磨き上げていくものです。DF研究会は、そのための場としてスタートします。ぜひご一緒ください。



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